今回は事業の継続に必要な経営とは何かを理解してもらうこと、また会計や経理の存在がいかに大事かという点をお話したいと思います。

①キャッシュフロー経営とは?
“単純な売上や利益だけを重視しない経営スタイル”です。

「売上重視の経営スタイル」
売上を上げることが最優先されます。
その結果、利益率・利益額を考慮しない、安易な値引き要求に応じてしまう、多少の原価率上昇は仕方ない、といったことが発生しがちです。
場合によっては、売上が上がったのに、赤字ということもありえるかもしれません。

「利益重視の経営スタイル」
将来の利益を見込んだ製造ロットの拡大や、製造コストを下げるための大量発注など、在庫を抱えることになるスタイルがこれに当てはまります。
しっかりとした販路確保、マーケティングしないままに行われる生産ほど怖いものはありません。
また、在庫の製品種別によっては、賞味期限や消費期限、使用期限があることを考慮し、劣化や廃棄率の検討もする必要があり、管理コストが増大します。

上記2点はキャッシュフロー経営ではありません。
損益計算書(PL)上で利益が出ていたとしても、資金(現金)が減っていたのでは本末転倒、経営が成り立たなくなってしまう例と言えます。
※よく言う黒字倒産は、後者のスタイルの場合に多く発生します。

そのため、単純な売上や利益だけを重視しない経営スタイルを身につけることが重要となります。

②キャッシュフロー経営を行うメリットとは?
企業は存続し続けることが重要で、取引先・得意先が消えることは、他の企業にも多大な影響を与えます。
つまり、「存続しつづけることが、社会にとっての価値」になります。

コロナ禍において、急激に消費行動が減退し、モノの価値が時間とともに下落し、お金の価値が上昇するデフレの現状、たとえば土地や建物などのモノを所有するよりも、手許資金(キャッシュ)を所有している方が強いと考えられます。

しっかりとした資金を持つ会社は、
・経営の安定度や、対外的な信用力を高めることができる
・経営の意思決定における自由度を高めることができる(自由に事業にお金が使える)
ということに繋がります。

手許資金(キャッシュ)が、月末時点でいくら残るか、3ヶ月先は?6ヶ月先は?
といった形で、目先の損益に惑わされることなく、資金の入りと出をしっかり管理することが重要と言えます。

③特に中小企業におすすめする実践方法
特に中小企業におすすめする内容としましては、

・サービスであれば売掛待機期間、商品であれば在庫をかかえないこと
・現金の出入りを月次ではなく、四半期程度の期間で管理すること
・今現金があるから購入しよう!ではなく、キャッシュフローの観点での意思決定をすること

の3点が重要です。

そして、その内容を念頭におきつつ、
・キャッシュフローの状況把握をする
・今後のキャッシュフロー計画を作成する
・キャッシュフローの状況を検証し、改善の施策の立案をする
上記3点を継続的にぐるぐるまわす

「キャッシュフロー計算書」や「お金のブロックパズル」などを作ることからはじめ、軌道に乗るまでは経営者の聖域をつくらない経営をすることが重要だと考えます。
※十分なキャッシュができた時点で贅沢をするのは、むしろ推奨したいと思ってます。

④最後に
「経営者は本当に辛い!」と私は思います。
実際に労働者側から使用者側になったときに、こんなにも会社経営に時間とお金がかかるとは思っていませんでした。

現在では経理や財務のBPOも多く存在し、そういった経営者の支援は十二分にあるはずなのに、倒産する会社は未だ多く存在します。

昨今DXという言葉がもてはやされていますが、本当の意味のDXは当社代表が申し上げるように、ビジネスをトランスフォーメーションすること(BT)だと考えます。

何もかもをIT化するのではなく、事業や業務をより良い方向に導くための道筋を作るのが、本来のDXの役割だと信じています。

会社を設立する意思だけでも素晴らしいですが、やはり10年、20年と企業を継続できるような骨組みを作ること、また、その一助になるように当社がなれればと考えております。
ご興味を持たれた方は、是非ご相談ください。

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